IT国家エストニアのスタートアップ事情を調べてみた
こんにちは、ずっと行きたかったスイスより最近はエストニアに行きたくなってきたぽこひでです。
最近何かとエストニアの話を聞くので、気になって調べたことをまとめてみました。具体的にはエストニアがスタートアップを誘致するために行っている施策「e-residency」と「スタートアップビザ」についてのまとめです。
- エストニアとは
- エストニアのスタートアップ事情
エストニアとは
世界に代表される電子国家。2007年に世界で初めて議会選挙をインターネット上でする電子投票を行ったり、オンライン上での議会出席が認められているそうです。
政府が発行する個人IDカードは15歳以上のエストニア国民が持つことを義務としていて、このIDを用いて行政サービスの99%を個人端末から済ませることができる。また、IDカードは運転免許証やショッピングのポイントカード、健康保険証などとしても機能している。
キャッシュレス化も浸透(人口の97%)しており、上記のIDと銀行口座も直結していて、銀行の入出金まで全て管理され、税金の徴収も自動計算して引き落とされるため納税申告もなければ誤魔化すこともできないとてもクリーンなシステムを導入している。そのため、税理士や会計士という税金関連の職業が消滅した最強の国家。
こういった背景もあり、ブロックチェーン技術も積極的に取り入れているエンジニアが好きそうな国。「Skype」が生まれた国としても有名ですね。 ブロックチェーンで運営される国、エストニア 起業家を惹きつける「未来型国家」の設計思想とは?【特集 GLOBAL INSIGHT】| FastGrow
エストニアのスタートアップ事情
エストニアはその他にも面白い制度を行っていてそれが、「e-residency」と「スタートアップビザ」です。
電子居住制度「e-residency」
この制度は2014年から始まったオンライン上でエストニアの電子住民になれる制度です。電子住民になるだけでエストニアに住むことは出来ませんが、海外に住みながらエストニアで会社を設立して、銀行口座も開設できます。電子住民になることで起業家はエストニアのスタートアップコミュニティにアクセスでき、そこで投資家やエンジニアなどのネットワークを構築することができます。しかし、実際に現地に住んで働くには就労許可や滞在許可が必要でした。そこで2017年に生まれたのが「スタートアップビザ」です。
ウェブ上で申込みができる「e-residency」(e-residencyウェブサイトより)
スタートアップ・ビザ
欧州域外の起業家を対象にエストニアで起業を新規設立するか、会社を海外からエストニアに移転する際に、欧州域外の従業員を通常より簡単な手続きでエストニアに呼び寄せれる制度。
あまり「スタートアップ・ビザ」関する情報がなかったのでFAQをまとめてみた。
- スタートアップ・ビザってどんなの?
- エストニアに最長18ヶ月住んでスタートアップで働けるビザ
- 12ヶ月までビザを発行でき、最長6ヶ月まで延長できる(計18ヶ月)
- 居住を許可するために従来必要だった費用(65,000€)が必要ない
- ビザを取って移住する場合は家族はどうなりますか?
- 家族も同じ条件でビザが発行されることがある
- 予め申請すれば配偶者は一時的に働くことや、居留許可をもらえる
- 配偶者、子供、家族に同様のビザが与えられ、延長時も適用される
- スタートアップ・ビザを貰うためにはエストニアで起業しなくてはいけませんか?
- エストニアで起業は必須ではないが、申請するための前提条件
- 既にエストニアに企業を持っている場合は、申請すれば大丈夫
- スタートアップ・ビザを申請する際のコストは?
- 短期滞在ビザの申請審査には60€
- 長期滞在ビザの申請審査には80€
- スタートアップ・ビザ申請時に必要な資産はありますか?
- 申請時に十分な生活を行える資金があるか提出する必要がある
- 滞在予定の月数 x 最低130€は持っている必要あり
- スタートアップ・ビザはシェンゲンビザですか?
- 最長90日の短期滞在ビザはシェンゲンビザ(シェンゲン協定加盟国内を自由に往来できるビザ)
- 最長1年(半年延長可)の長期滞在ビザはナショナルビザ
- スタートアップ・ビザは創設者以外でも大丈夫ですか?
- スタートアップ・ビザは創設者のためだけ
- 従業員は短期雇用の場合は別途普通のビザを申請する必要がある
- 長期雇用の場合は選択した都市の大使館で居留許可を申請する必要あり
- 会社はエストニア国内に作らなければいけませんか?
- エストニアに会社を登録するにはエストニア国内に会社を設立する必要あり
- 別の国の方を雇用する場合はエストニアに登録する必要がある
- 移住するための時間はどれくらいありますか?
- ビザ申請書には滞在予定日やエストニアへの到着予定日、出発日を明記する必要あり
- 起業家居留許可は申請書を提出してから2ヶ月以内に発行され、最大5年間有用
- エストニアに到着してから1ヶ月以内に居住地を登録する必要あり
- 居留許可とビザの違いはなんですか?
- ビザは30日以内に発行され、居留許可は2ヶ月以内に発行される
- ビザは一時的な滞在のため。エストニアに居住するためには居留許可。
- 一時的な滞在(ビザ)の場合は居住者に数えられないので公共サービスの権利が制限される。
- エストニアに到着してから新しいビジネスを始めるための期限はありますか?
- 特に期限はないが、滞在の主な目的はスタートアップの設立に関わっている必要がある。
- スタートアップ・ビザの申請には何が必要ですか?
- 申請書を警察と国境警備局の役場に直接提出する必要がある。
- これを印刷して記入する
40x50 mm
のカラー写真1枚- 州の手数料の支払いを証明する書類
- 身分証明書など
Jaapani business | Jaapan | TWDC OU
もう既に各国から「スタートアップ・ビザ」の申請は来ているようですが、半数は否定的な評価が出ているとのこと。ビザ申請の期間は10日など他国に比べてかなり短いので、海外でのスタートアップに興味がある人は申請してみるのもいいかもしれない。
さいごに
この連載は面白いので読んでみると良いと思います\(^o^)/